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大塚ムネトの超不定期日記(2005年7月)
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2005年07月31日 玄関のアイツ

家の玄関に、「網を張ろうと執念を燃やしている茶色の小さなクモ」がいる事を以前書いたが、相変わらず朝家を出ようとすると、ちょうど顔の当たりに糸が張られている。さすがにこっちも慣れてきたので、まず手ではらってから玄関を出るようになった。

で、あんまり毎日続くので、「諦めないでよく続くなぁ。うん、なかなか根性のある奴だ」と、最近は感心していたのだが、どういうわけか、ある日を境に糸を張らなくなってしまった。

「あれ?遂に諦めたのかな」と気になったので、このクモの巣穴をのぞいてみたら(玄関チャイムの横にある隙間に昼は潜んでいるのだ。え?どうやって見たかって、そりゃぁボクには「小さな穴を覗けるイヤースコープ」という強力アイテムがありますもん)、な、なんと真っ白で腹の大きな違うクモが入り込んでいる。

茶色のアイツは、どうやら縄張り争いに負けてしまったらしい。

どうしよう・・・きっとボクが網を張るのを邪魔したからに違いない。うーん・・・とりあえず、ウチの玄関で弱肉強食を繰り広げるのはやめてくれないかなぁ。

2005年07月30日 パルコ打ち合わせ

昨日から引き続きピクニックの事務所で制作ミーティング。去年の嘉穂公演から博多歌舞伎に制作協力を頼んでいるが、パルコ公演からは、さらにピクニックも制作に参加してくれることになったので、全体での意思統一。ここ数年の課題だった「制作面の強化」がいよいよ実現。

夜はチラシの打ち合わせ。3月にチラシを送ったお客様に出すDMなので、表のデザインをシンプルにした「第2弾」的なチラシを作ることに。

2005年07月29日 今年も電車祭りでイベント決定

昼から打ち合わせ。今年も筑紫車両基地でミニライブをやることに決まった。これで3年連続と言うことになるが、毎年たくさんの子供たちが来てくれて、芝居も食い入るように観てくれるのでとてもやりがいがある。

打ち合わせの後は天神のauショップへ。そう、遂に携帯電話の機種変更を決意したのだ。長年愛用していたカシオC−303だったが、老バッテリーに電気を蓄える力は残って無く、1日中充電しても5分で切れるありさまで、「長話のときにはコンセントにつながないと使えない」という、違う意味での有線電話に変わり果てていたのだ。

もう「携帯」とは言えない電話になってしまった以上、機種変更やむなしだったのだが、昨日も書いたように「気に入ったモノしか手にしたくない」ので、なかなか欲しい機種が出なくて困っていた。そんなとき、カシオから久しぶりに同じシリーズの新型が出ると聞いて、ようやく変更の決意をしたというわけ。

長年使っていたので機種変更代はタダだった。もちろん、愛用していたC−303は記念にもらったよ。

2005年07月28日 デザイン最優先

使っていたプリンターが壊れてしまったので、ネットで新しいプリンターを色々みてたら、hpのオンラインショップで「9千円台の複合機(スキャナとプリンタが合体してるやつね)」を発見。こりゃどうなってるんだ?昔、プリンタの修理をしたときは1万以上かかったのに、複合機が修理代より安いとは・・・。

安さを追求するためだろうけど、シンプルなデザインもいい。流線型だのなんだのと、曲線くねくねマシンが苦手なボクとしては、もう言うことなし。即購入してしまった。ローコストマシンなので今までより性能は落ちるが、「気に入ったモノしか手にしたくない」ので、かまわない。

2005年07月27日 DVD化着々と(トムとジェリーの話)

今日も一日原稿書き。と、これだけでは切なくなってくるのでトムとジェリーのDVD化作業もしている。煮詰まったらトムとジェリーというわけ。今日は全部で14本あるテープの6巻目を見ながら作業。作業は「1,マシンのハードディスクにテープ全てを収録」「2,つなぎ録りのノイズ、カットしきれていなかったCM部分を抜いたバージョンを編集」「3,DVDに焼く」という行程。メニュー画面には、各エピソードのタイトル画面がでるようにして、ちゃんとDVDの最後には終わりの歌をつけて出来上がり。かなり凝ってるよ。

6巻目のテープには、大好きな「へんてこなオペラ(1952年製作)」が録画されていた。これってテックス・エイヴリー作品の中でも傑作との評価が高い作品(あと「呪いの黒猫(1949年製作)」もね)。唯一発売されていた海外版のLDが廃盤となり、今や見ることが出来ない作品なので大喜び。

このテックス・エイブリーはワーナーでバックス・バーニーの原型を作り、その後MGMに移ってからの作品が、「トムとジェリーの真ん中に放送されたエピソード」として日本でも紹介されている。だから、名前は知らなくても作品を見たことがある人は多いと思う。彼のMGM時代最後の作品、スパイクが刑務所からスプーンで一杯ずつ土を掘って逃げ出そうとする「逃げてはみたけれど(1955年製作)」まで名作揃いだった。

ちなみに「逃げてはみたけれど」は、主人公スパイクが20年かけてスプーンで土を掘り、45兆5712億2112万6332杯目でやっと脱出に成功するが、ここからが彼の試練の始まりだった・・・というお話。たった7分ちょっとの間に、これでもかとギャグが詰め込まれ、思いもよらないストーリーが展開する。これを作ったテックス・エイヴリーは天才だ。

2005年07月26日 自販機戦争

今日の「ガイアの夜明け」は自販機業界の内幕。現在、全国で282万台の自販機があり、そのうちコカコーラの自販機が86万台を占め、残りを各メーカーがしのぎを削っていると言う状況らしい。過当競争を乗り切るべく、各メーカーが考えるあの手この手を紹介していた。

たとえば、人通りの少ない小道に何故かズラリと並ぶ自販機。狙いは近くにあるビル工事の現場作業員。ボクの父親が建築業だったのでよくわかるが、現場では、朝の始業前、10時頃、昼飯時、午後3時、終業後と、少なくとも5回はホッとする時間がある。そのたびに売れるんだから、そりゃ儲かるよなぁ。これは期間限定で利益を上げるかなり割り切った作戦。

たとえばタクシーの休憩所にある自販機。タクシーは冷房がきついので、夏でも「体が冷えた運転手のため」にホットコーヒーを用意しているとのこと。で、見事これが売れている。

ほかにも番組では、100円自販機などの価格破壊の様子や、メーカーの枠を超え売れ線の商品を集めた「合体自販機」を展開する新たなビジネスなどを紹介していた。僕らが払う120円のために、こんなにも熱い戦いが繰り広げられているのだ。

毎週欠かさず見ているが、いつもながらこの番組は面白い。

2005年07月25日 壱岐へ

西鉄電車広報誌コンパスの取材で壱岐へ。島に展示されている路面電車を訪ねて「なぜ線路もない壱岐に電車があるのか?」を探る旅。さてどうしてだと思う?この答えがわかる人はかなりの福岡の歴史に詳しい人。

では答えを。「壱岐は、福岡で最初にチンチン電車を走らせた、松永安左ェ門の生まれた場所だから」。この松永さんが、今の西鉄の前身である福博鉄道を造った人なのだ。で、その生家跡に記念館があり、そこに電車が展示されているというわけ。当時はまだ電気も普及していないため、電力会社と鉄道会社は一心同体のようなところがあった。この松永さんは福岡で電気会社を初めて、なんと福岡を足がかりに大阪東京まで進出したすごい人なのだ。

第2次大戦前は、命の危険を顧みず中央経済界で戦争反対を唱え、それが通らないと全ての役職を捨てて山にこもって隠遁生活をし、戦後は電力業界の再興に命をかけて「電力の鬼」と呼ばれた人。もう書ききれないぐらいの偉業を成し遂げた人なのだ。

と言うわけで、ギンギラ新聞の文字数に収まるはずもなく、ちょっと途方に暮れている。

2005年07月24日 30年後か・・・

咳が止まらない。芝居が続いているので喉がへばってるようだ。本番中は気合いで乗り切っているが、終わった途端に激しく咳き込んでいる。これが終わったら8月のイベント以外はないので、しばらく喉を休めなければ。今日の2回で公演は終了。打ち上げはアクティブの事務所にある稽古場。

前も書いたが、高校生から年配の方まで幅広い層が参加しているので、打ち上げはまるで田舎の宴会のよう。それぞれの世代でワイワイ盛り上がっている。ボクはベテラン役者チームと演技の話に熱中する。それぞれが経験してきたこと、目指していることを聞くと、「全然違う立ち位置」と思っていた方と考えていることが意外と近いことがわかった。これは発見だった。やはり変な先入観や、縄張り意識は捨てて交流した方がいいんだなぁ。

50代、70代でバリバリ現役の役者さん。東京や大阪では当たり前だろうが、自分の身近でそういう方が楽しそうに芝居をしているのを見ると、なんだか勇気が湧いてくる。70歳まで後30年。ボクはどうなっているだろうか。それなりの貫禄はついていてほしいが、出来れば「バカだなぁ」と笑ってしまうような事もやり続けている自分でありたい。

2005年07月23日 ようやく

今回、初心者ばかりではなく、ベテランの役者さんとも共演させてもらっている。たとえばパインズの二橋さん。楽屋で隣の席という事もあり色々と話させてもらったが、実はボクの高校の先輩と一緒に芝居をしていたという話や、東京時代の話など、どれもおもしろい話ばかり。アクティブの高田さん、現代劇場の鈴木さん、小渕さんなど、ボクより上で頑張っている人に会えたのがとてもうれしい。

しかし、ようやくテアトル系の役者さんともつながりが出来た。これが縁で何かが始まるかもしれない。恥ずかしながら、ボクはギンギラを確立するまで、外に目を向ける事が出来なかった。それどころか、周りを拒絶するぐらい自分を追いつめていた。そうしなければ周りに流されて自分の世界を表現出来ないと思ったからだ。

自分のスタイルを確立してからは、ようやく周りに目を向ける事が出来るようになった。今から思うと、周りを拒絶していたことを「もったいなかったなぁ」とも思うが、だからこそ、たどり着けたとも言えるしなぁ・・・。というわけで、今は色んなところに自分から飛び込んでいくようにしている。「自分だけで出来る表現」は見つけたので、次は「自分だけでは出来ない表現」を探しているのだ。


きっと、こうしている今も、自分の表現を探して苦しんでいる人はいると思う。自分を確立するまで孤独を選ぶのも良いと思うし、もし誰かにアドバイスを聞きたいなら、ボクで良ければいつでも答える。

横のつながりも孤独もどちらも表現者には大切な事と思うから。

2005年07月22日 初日

アクティブハカタはタレント事務所なので、下は小学生から年配の方まで所属している。だから楽屋は現役高校生からおばあちゃんまで様々。演技の経験が少ない人もいるが、そこは「リアルな存在感」で、何とか役に近づこうとしている。

伊集院さんとしては、芝居も本格的にやっていきたいとの事だったので、演技の経験を積んでいくこれからが楽しみ。

「ボクは役者として呼ばれているんだから役割を果たさなくては」と気合いを入れて本番へ。

2005年07月21日 「坊っちゃん」仕込み

昼から会場の大博多ホールへ。会場では舞台転換の段取りを決めているところだった。ギンギラの場合、嘉穂劇場で初めて本格的にセットを作ったが、それ以外はほとんどセットがないので、こうしてしっかりと場面ごとにセットがある舞台はとても興味深い。教室や屋敷など、どのセットも「それらしく見えるように」強調と省略がうまく表現されている。

高校時代、初めてテアトルハカタの芝居を観たとき、まず作り込まれたセットに驚いたのを思い出した。アクティブの伊集院さんは、ずっと野尻先生と芝居を作っていた方なので、そのこだわりは受け継がれているんだろうなぁ。

2005年07月20日 リベンジ公演に向け着々と

午前中で「道の日イベント」の脚本を仕上げて担当に送る。全体で10分ほどの短編だが、なかなか良い感じに仕上がったと思う。「いつもそばにいる事を忘れないでほしい」と最後に道路キャラが語るのが切なくて良い。あとは各関係機関(道路を管理するのは国、県、市と色々あるのだ)のチェック待ち。それぞれのバランスを考えて「ぬかりなく」書いているので、大丈夫とは思うけど・・・。

昼からは天神でパルコ公演の打ち合わせ。決めないといけない事が山ほどある。まあ「今回の企画は規模が大きく、何より画期的な事なのだ」ということの証明でもあるので苦にはならない。ピクニックの堀さん、博多歌舞伎の石川さんという頼もしい味方もついてるし。嘉穂劇場、DVD全国発売など、これまでにない大きな企画を実現できるようになったのも、こうして制作チームを強化したからこそ。

夜は「坊っちゃん」の稽古。連日稽古の後は飲んでいるが、さすがに今日は朝からハードだったので速攻帰って寝る。今日は疲れたよ。

2005年07月19日 作品で媚びる事はしないが

利用者が目標の半分以下だったり、ダークサイドに落ちたりと色々と心配だった七隈線が、経済産業大臣賞を受賞。車両デザイン、バリアフリー化などが評価されてとのこと。新聞報道によれば、この賞を地下鉄が受賞するのは全国初。でも・・・・だからって利用者は増えないだろうなぁ。

交通機関なんだから、まず必要なのはアクセスなどの利便性のはず。そりゃ、デザインや乗りやすさも大事だけど、使えないんじゃ乗ったって仕方がないし。「評価されている事」と「お客様が求めている事」が、一致してないんだよね。

エンターテインメントを追求しているボクとしては、この七隈線の現象は格好のテキスト。「作品として追求したい事」と「お客様に喜んでもらえる事」のバランスにはすごく気をつけているし。

2005年07月18日 「役者モード」+「作・演出モード」

イベント2つが同時進行。一つは構想だけでいいのでそれほど大変でもないが、頭の切り替えがねぇ・・・。昼間は2つのイベント案を行ったり来たり。

夜はまずギンギラのイベント稽古に顔を出す。最初の1時間で、考えたアイデアを話してあとはみんなに任せる。いつもは全てボクが仕切っているが、今回は「坊っちゃん」とかぶっているのでボクは監修だけ(イベント担当者も承認済み)。そのあとは「坊っちゃん」の稽古場へ。もちろん、セリフの入れ替えは済んでいるよ。

稽古の後は次賀君と2人で飲む。彼も役者を追求している奴なので、一緒に飲んでいてとても気持ちがいい。つい調子に乗って最後はお店に残っていたお客さんみんなで大騒ぎ。

2005年07月17日 ようやく更新

今日から「坊っちゃん」の稽古に参加。セリフを入れ替えてしばらくは「赤シャツ」として生きることに。激しくて骨太だったブレーキから、インチキな赤シャツになるのは、なかなか楽しい。

帰ってきてから一気に日記の更新。手書きしていた分をまとめてアップする。

※業務連絡
と言うわけで、またしてもアドレスが消えてしまいました。関係者の皆様、申し訳ないですが大塚までメールをお願いします。それと、ミクシィの招待状を送ってくれたあなた、手続きをする前に壊れてしまったので、良ければもう一度メールを出してください。

2005年07月16日 マシン復活

マシンがサポートから戻ってきた。修理代金は、ハードディスクの交換が52,900円と技術料が13,000円のあわせて65,900円。見積もりの7万よりは安かったけど、へこむわ・・・。いくら思わぬギャラで払ったとはいえ、6万は痛い。6万円あれば、DVDレコーダーやMP3プレーヤーだって買えるのに。

「はぁーあ・・・」すっかり他人マシンとなったバイオと向き合って大きなため息。せっかくハードディスクに録画してた「トムとジェリー」も全て消えてしまった。また一から録画をやり直さないと。

今日は打ち合わせで忙しかったので、日記の更新は明日の夜になりそうだ。

2005年07月15日 映画「デッドゾーン」がTVシリーズに

クリストファー・ウォーケン演じる主人公は、自動車事故により「さわるだけで相手の過去や未来が見える」という特殊な能力を持ってしまう。エディ・マーフィとかが演じてたら「わーい超能力だラッキー!」とコメディ映画になるんだろうけど、なんと言っても主演は「苦悩の表情がぴったりのクリストファー・ウォーケン」。もう主人公はとことん不幸になっていく。まず事故で昏睡していた間に婚約者が去り、よかれと思って超能力を使えば、恐れられ孤立していく。これが切なくて、つらくて、どうにも泣けてくる。「デッド・ゾーン」は、ボクの中で「猛烈に泣ける切ない映画ベスト3」に入る名作だ。

そのデッド・ゾーンがTVシリーズになって復活した。CSで第1話と第2話をみたが、これが映画の雰囲気をうまく出していて、もう切ない切ない。原作と違うアレンジもあるが、やはり最後は悲劇に突き進むしかないんだろうなぁと思うと、それだけで泣けてくる。あー・・・たまらんドラマが始まったよ。

2005年07月14日 トイレ完全復活(今日やったこと)

壊れていたレバーも純正部品になった(6月29日の日記を)。あとは水流が弱いことを解決するだけ。マンションの一番上だから弱いのかと諦めていたが、ちょうど公演も終わって暇だし(あ、原稿はあるけど、ほら、そんな「一日中机の前」って訳にもいかないしねぇ・・・)、で、思い切って水道管をはずして水流を調べることに。

まずは元栓を閉めて、ブロックごとのパイプを全て外す。次にタオルを床に敷き詰めた上で(下の階に水が漏ったら大変でしょ)、元栓をゆっくり開く。すると、かなりの勢いで水が出てきた。どうやら水流が弱いのが原因ではないらしい。

となると、あとはパイプの問題。案の定、タンクとつなぐL型パイプが詰まっていたことが判明。中をきれいにしてつなぎ直したら、チョロチョロとしか出ていなかった水が、かなり勢いよく出るようになった。

こうして、半日がかりの作業の末ついにトイレが完全復活した・・・って、何の日記だこれ?

2005年07月13日 次はパルコだ!

プロデューサーからパルコのHPで告知が始まったとの知らせが入る。これで気持ちがしっかり切り替わった。そう、なんと言っても次は、地方劇団が初登場のパルコなのだ!よっしゃー燃えてきたー!(と言うか、ずっと燃えてるし)。うれしいことに、HPでギンギラDVDの販売もしてくれるとのこと。東京公演のチラシももうすぐ出来上がるし、いよいよだ。DVDと言えば、さかえ屋に続いて、ひよ子でも販売されることが決定している。

自分たちの活動が、色んな方々の協力でどんどん広がっていく。表現者としてこんなに幸せなことはない。

2005年07月12日 マシンはなくても

原稿の締め切りはある。脚本を書くときは、まずは手書きのメモから始めるので、マシンの故障とは関係なく脚本作業。

今週でイベント2つの脚本を仕上げないといけないが、体の中からブレーキが無くなるのがつらくて、気がつくと長ゼリフを言っていたりする。

いつも芝居が終わったあとは抜け殻のようになってしまうが、今回は特に激しい。ブレーキだけでなく、元々の自分までゴッソリと持っていかれてしまったみたいな妙な感覚。

2005年07月11日 仕事する気満々だったけど

夜中まで騒いでいたのに朝早く目が覚める。「おじいちゃんじゃあるまいし・・・」とツッコミつつ、せっかく早起きしたんだから仕事をしようとパソコンの電源を入れる。公演で、色々たまっているし、今日からはしっかり切り替えないとやばい状況なのだ。

「さあ今日から働くぞー!」・・・ところが、いつまでたってもマシンが立ち上がらない。なんと、よりにもよってこのタイミングでマシンが壊れてしまったのだ!サポ−トに電話したら、「ハードディスクの故障だろうから引き取り修理になる。費用は7万ぐらいかかります」とのこと。これにはへこんだ。せっかく仕事をしようとしたやる気をそがれた上に予想外の出費だもの。

で、しょんぼりしてたら、制作の立石さんから「ギャラが入ります。7万円です」と電話がかかってきた。どう思うこれ?「不意の出費」と「不意のギャラ」が同じ金額なんて・・・損したような、してないような・・・いや、やっぱり損はしてるか。

この際、強制的に休養をとれってことだなと、かなり都合のいい解釈をすることにした。せっかく日記を更新しようと思っていたが、更新はマシンが戻ってくる週末になりそう。

2005年07月10日 楽日

昨日の夜のダメだしを受ける。「昼公演の疲れ」に負けまいとして、夜公演で力んでしまったようだ。ダメだしをふまえ「テンションがスピードにすり替わらないように」気をつけて、これまで1ヶ月のあれやこれやを胸に本番へ。

今回、本当に役者に集中させてもらった1ヶ月間だった。幸せな1ヶ月だった。これから先を頑張るエネルギーをもらった1ヶ月だった。きっとまた何かを一緒に作るにちがいない1ヶ月だった。支えてくれた皆様、本当にありがとうございました。

打ち上げは、それはもうもうベロベロになるまで飲みましたよ。2次会であんみつ姫のショーを観て騒いで、そのあとは大人チームでしんみり飲んで、最後は若手に合流してカラオケ熱唱。あんなに酔っぱらったのは久しぶり。きっと周りは呆れていただろうなぁ。

2005年07月09日 あと2日!

ただいま朝10時過ぎ、今からホールに向かうところ。今日は昼、夜の2回。あーあ・・いよいよ今日と明日で終了だ・・・。「泊ワールドの住人」として、存分に過ごしていられるのもあと3回かと思うと、とても寂しい。

この東京物語の不条理にひるむどころか、お客様を煙に巻くぐらいアイデアを盛り込んだ「泊版東京物語」は、最高にヘンテコで、素敵で、とても居心地がいい。ボクととまとママは「泊ワールド」でウキウキ暮らしている。

今回、「この3人だからこそ出来た作品」になっているのが本当に嬉しい。では、いってきます!

2005年07月08日 「日々、全力」で上演中!

いよいよ公演が始まった。「稽古で積み重ねた事をふまえつつ、まるで即興の様に感情のキャッチボールをする」と言う、かなりスリリングで楽しい現場となっている。毎回、本当に楽しくて仕方がない。

もう、「命を削る」ぐらいの心意気で舞台に望んでいるので、終わったあとは、ヨロヨロ。家に帰って倒れる様に寝て、目を覚まして劇場に通う。芝居してるか力尽きてるかのどっちか。涙が出るぐらい、幸せな日々

2005年07月07日 イメージは「積み重ねた上での即興」

終わってみれば段取りが違うところがいくつかあったが、「その瞬間、瞬間の感情のやりとりの結果」だから、仕方ない(もちろん、「ちゃんと稽古をふまえた上でのテンション」でやっているので、本質的な部分は変わらずにやっている)。あ、だけど、スタッフはビックリしただろうなぁ・・・ごめんなさい。

というわけで、今日も悔いなく生きた。

2005年07月06日 初日

いよいよ初日。開演前はいつものように舞台上で集中を高めるようとするが、なかなか集中できない。かなり緊張している。「瞬間に生きるということを思った時点で、それは段取りになってしまうのでは・・・」などと何だか禅問答のような不安もよぎる。いかん、いかん、この1ヶ月やってきたことを信じなければ!

と、一瞬アワアワしてしまったが、さすがに衣装に着替えてメークをしたら落ち着いてきた。いつものアイテム「バナナ」を食べて、いざ本番。ボクは、「今日の精一杯」で生きた。果たしてお客様にはどう伝わっただろうか?

終わったあとは初日打ち上げ。ずっと禁酒していたが、乾杯の一杯だけは飲む。久々のビールがとてもおいしい。2杯目からはオレンジジュースにして、また楽日までお預け。喉を万全の状態にするためだから仕方がない。きっと打ち上げのビールがうまいはずだ。

ホールでの初日打ち上げのあとは、警固に移動してアンサンブルのみんなと語り合う。自分の失敗談など、聞かれたことには何でも答えた。せっかく参加してくれた子たちなので、何かの役に立ってくれればいいと願っている。さらにそのあとは赤坂で「大人スタッフチーム」に合流。こっちでは、今度はボクが聞く側にまわって色々な質問をする。今回の現場は本当に刺激的だ。ただ・・・さすがにオレンジジュースを飲み続けるのには飽きてしまった。

2005年07月05日 「器用に演じるのではなく、不器用に生きる」

早めにいって楽屋で昼ご飯。すべて順調なので、ばたばたすることなく、自分の時間でゆっくりと過ごせている。これがとてもありがたい。まずは段取りを確認しながら軽く通して、いくつか手直しをしたあとゲネへ。

今回、泊君という演出家と向き合って一番もがいたことが、「器用に演じるのではなく、不器用に生きる」ということだった。稽古が始まってすぐの頃は、どこかで「演出的な自分」がいたせいか、自分の役がどうかということより、全体の中でどう演じたらいいかと、器用に立ちまわろうとしてしまう傾向があった。ブレーキではなく、大塚として間を埋めようとするというか・・・。そんなとき泊君は「それは役としての必然か」と、何度もボクに問いを返してくれた。このやりとりは、刺激的でとても有意義だった。

「役にそぐわない武器」をたくさんかまえても表現が広がったことにはならない。たとえ1個の武器しかなくても、それが役としての必然なら、それを深めていくことで表現が広がるはず。この1ヶ月、そのことだけを考えながら演出と向き合ってきた。今回、「役者に徹する」という状況にボクを追い込んでくれたことに本当に感謝している。

2005年07月04日 いよいよ

ホールに行くと舞台が出来ていた。両側に立つ巨大な柱が、舞台をより大きく感じさせる。この「目の錯覚を利用したセット」に感動。照明も着々と準備が進み、とまとママがデザインした衣装も仕上がっていた。で、さっそく衣装の囚人服に着替えたところでショックな事がおきた。「丈を短くした囚人用ズボン」のはずなのに、短いどころか、ボクの足の長さにぴったりなのだ!うぇー・・・ボクってそんなに足が短かったかなぁ。かなり寂しい気持ちで衣装さんに手直しを頼むことに。お尻のサイズも合ってなかったし、きっと寸法が全体的に違ってたんだ・・・と思うことにして自分をごまかす。

途中、宣伝で外に出て夕方から場当たり開始。細かく確認しながら場面ごとに何度か繰り返して、アンサンブルとのタイミングも合わせていく。

2005年07月03日 今日は最後の休み

利用者の伸び悩みに苦しむ七隈線が、「スターウォーズEP3」の公開にあわせて、ダース・ベイダーを1日駅長として登場させた。でも、いいのか七隈線?いくら人気キャラとはいえ、ダークサイドのキャラだぞ。

今度のギンギラは七隈線を主役にしてみようかな。「明るい未来のハズが、予想を裏切られて苦しみ、ついにはダークサイドに落ちてしまう七隈線」。おお、まるでEP3みたいだぞ。

2005年07月02日 昨日は「かりん塔」で晩ご飯

昼間は家でイベントの脚本を書く。お役所のイベントなのでかなり制約を覚悟していたのだが、「どうぞ好きにやってください」と、嬉しい言葉をもらっている。とはいえ、いざ脚本として「具体的な言葉」になれば、きっと色々修正が入ってくるだろうなぁ。

稽古は夕方から。演出が遅れてくる日なので、まずはママと昨日の通しで気がついた事を色々話す。たとえば2人で向き合って話すときの距離感とか。で、いくつかでた疑問点は演出が来てから最終判断を仰ぐ。今日は、エピローグの稽古をしてから通しへ。

終わったあとは若手の子達と「煮こみ」で楽しくご飯。役者モードなので、連日夜はこうしてみんなでご飯を食べている。これが作・演出モードだと、脚本の書き直しがあるから帰るしかないもんねぇ。

2005年07月01日 体力勝負なんだから

今日も夕方まで部分稽古をして夜は通し稽古。何だか体がキツイ。そりゃそうだ、昨日あんまり寝てないし・・・。恥ずかしながら、昨日の手応えに興奮して夜眠れなかったのだ!ああ・・・いい年してもう。「万全の体制で稽古に臨む」というのも役者の大事な仕事だというのに・・・今日も反省。気合いを入れて通しにのぞむ。

稽古が終わったあとは、とまとママの誕生会。もちろんママにはナイショの「ビックリパーティ」だった。